議会の裏側では・・・
今日は、道議会の第四定例会の最終日でしたが、議会が空転してしまい、僕の日程もぐちゃぐちゃになってしまいました。
今回、道議会が空転したの原因は「鳩山総理の個人献金問題」でした。しかし、「なぜ、それで道議会が空転するの?」と皆さんは不思議に思いますよね。
で、今日のブログでは、それを「ご説明」いたします。
通常、定例会の最終日に、道議会に提出をされた「地方議会から国に物を申すことの出来る“意見書(案)”」に対し、議会として「それらを議決するか・しないか」を、採決によって決めていくのです。
さて、今定例会において、“自民党”は「鳩山総理の親族からの資金供与について説明責任を果たすように求める意見書(案)」を提出ました。僕は、「この意見書(案)の提出には、道民の皆さんも賛成をしてくれるはずだ」と思っていました。しかし、この意見書(案)対して「民主党」が猛反発をし、その調整に時間がかかった為、道議会がストップしてしまったのです。
ちなみに、「各会派間の意見書(案)の調整」という仕事ですが、前期の2年間は、自民党の担当は僕でした。今日は、担当者の方に対して、「かなり苦労してるんだろうな。議会を走り回ってるんだろな・・・」と、ずっと同情をしていました。
ところで、上記の様なケースの場合「どのように解決するのか?」ですが・・・、
1)強行採決という手法。この場合は「自民党議員会」の同意が必要です。また「自民党」だけでは、議員定数の過半数に満たないので、他会派との連携が必要になってきます。
2)意見書の文案の修正。この場合、相手の主張通りに「文章」に変えると、今後は「自民党」から批判され収拾がつかなくなる可能性もあるのです。文の修正には時折「罠」が仕掛けられているので、慎重に行う必要があります。
3)「意見書」を取り下げることもあります。この場合も「自民党議員会」の了解が必要です。
大体の場合は、上の3つの手法のいずれかによって“殆んどの問題”が解決するのですが、今回はかなり揉めていたようですね。それは、僕も使ったことの無い「裏技」を使い“調整”をしたからなのです。
その手法は・・・
(4) “意見書”を“決議”に替える手法。
というものでした。これには僕もびっくりしました。多分、察するに「自民党も民主党も、引くに引けない状況」になっていたのでしょう。
ここで気になるのが、地方議会における“意見書”と“決議”の違いですよね。
かなり簡単に説明しますが、“意見書”は政府や中央省庁に対して「物を申す」為のものです。一方“決議”は「我々の議会はこう考えている!」という、単なる意思表示の意味合いが強いものです。
実際に“意見書”は「国や官庁」に送られますが、“決議”はどこにも提出されません。また、“意見書”には法的根拠がありますが、“決議”はそれすらも無いのです。
つまり、“意見書”と“決議”違いは、“警察官”と“私立探偵”くらい違うということです。(良く分からない“例え話”で恐縮です・・・)
今回、それぞれの党の面子を保つには、「意見書を決議に格下げする」という選択肢しか残されていなったのでしょう。自民も民主も「痛み分け」といった感じでしょうか。
今日のブログは、道民の皆さんが見ることの出来ない「道議会の裏側での“駆け引き”」について書かせて頂きましたが、実は“道議会の裏側”には、もっと「ディープな世界」が沢山あるのです。
いつかは皆さんに「それ」もお教えしたいのですが、余りに「ディープ」過ぎて、無理かもしれません・・・(笑)。