僕が森林問題をどう考えているか(前)
先日、僕は元総理総裁の自民党の代議士と方とお会いをし、森林問題についてお話をさせて頂きました。
その中で僕が何を伝えようとしたのかを、今日と明日のブログで皆さんにお伝えしようと思います。実は、元総理にご説明する時、出来るだけ解りやすく問題をお伝えする為にレジュメを作成しており、今回はそれを皆さんにもお見せいたします。
以下は、僕が作ったレジュメの内容です。
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日本における森林政策の問題点について
(1) 今までの海外資本による森林売買の事実を林野庁が認めなかったのは何故か。北海道が林野庁に対し、H20年度に中国資本が森林を買っていたという事実を報告していたはずであるが、何故か。
(2) 林野庁はH18年~H20年における海外資本の森林買収の実態を調べる「全国調査」を行っていたが、何故この調査の対象を30ha以上の売買という広大な森林のみを対象にしたのか。また、H21年における売買の実態調査を中止しているのは何故か。国として、早急に実態の解明に向け本調査を再開すべきではないか。(対象森林の条件を変更した上で)
(3) 先日、マスコミ報道で自民党の国会議員を中心とした議連で、「法案」を提出する動きになっていることを知った。このことは、地方議会の議員として嬉しいことであるが、記事の中に「保安林に限定した法案」である記述があった。今、日本で起こっている森林の買収問題の大半は「保安林指定を受けていない民有林」で起こっており、“保安林=水源であるから、保安林を網にかければ水は守れる”と考えるのは危険であり、そもそも保安林は森林全体の3割程度しかないのである。また、森林以外にも水源があり、この場合“水利権”の議論も必要になるのである。単に「水を守る」にしても、慎重に議論すべきではないか。
(4) 国会議員の方々の多くが「海外の資本が森林を買収しているのは水資源が目的である」と考えているようだが(保安林のみに網をかけようとする点・・・、等々)、そう決め付けるのは危険である。水資源や二酸化炭素、木や不動産、生物多様性や国土、安全保障・・・等々、色々な角度から議論をする必要がある。しかし、残念ながらそこまでの議論にはなっていない。また、この問題は多くの法や官庁が複雑に絡み合っており、立法までの道のりは困難を極めるはずである。であるなら、例えば「問題解決の為に国にどんな組織を作るべきか」といった議論を議員が行っていく必要があるのではないか。
(5) 最も優先順位が高いのは、「国内の森林の現状(所有者)を把握する」ことであるが、既に全ての把握は不可能だと思われる。であるならば、どうしていくのかも議論をしなければならないはず。例えば、森林の所有者を正確に管理出来る法や制度設計、全国の自治体による調査、細かく分筆された1ha以下の森林の対応・・・、等である。
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【追伸】
実は昨日、「高橋はるみ知事の2期4年間の検証」の作業において、僕が“総括・まとめ”の部分の文章を書くことになりました。
僕には荷が重いのですが、ご使命ですので絶対書かなければなりません。しかし、辛口の僕に最後のまとめの文章を書かせるなんて・・・、それは僕にとって拷問に近い仕打ちなのです・・・(笑)