平成23年第1回北海道議会定例会予算特別委員会(総合政策部政策審議局)
平成23年第1回北海道議会定例会 予算特別委員会 開催状況(総合政策部政策審議局)
開催年月日 平成23年3月3日
質問者 自民党・道民会議 小野寺 秀 議員
答弁者 総合政策部長 成田 一憲、政策審議局長 岡崎 一智、政策審議局参事 梶田 敏博
一 TPPについて
小野寺委員
日本のTPPの参加、これは本道の経済に壊滅的な被害を与えるだろうということは分かっております。
道庁が本気でTPPに反対をしているのか、真剣に世論を巻き込みながら国のTPPの参加を阻止しようとしているのか、そういう観点で質問をしたいというふうに思います。
道庁が本気でTPPに反対をしているのか、真剣に世論を巻き込みながら国のTPPの参加を阻止しようとしているのか、そういう観点で質問をしたいというふうに思います。
(一)TPPに関する資料について
小野寺委員
そもそもTPPの協定書に、道庁の職員は目を通したのかお聞かせください。
また、TPPに関するレポートは様々ありますが、それらの情報を能動的に入手してきたのかどうかも教えてください。
また、TPPに関するレポートは様々ありますが、それらの情報を能動的に入手してきたのかどうかも教えてください。
(梶田政策審議局参事)
TPPに関する資料についてでございますが、現在、国からは、TPP交渉参加国との協議を通じて、これまでに収集した情報を取りまとめた報告書が出されておりますが、交渉の途上にあることから、その内容については具体的なものが示されていないところでございます。
一方、TPP参加による影響についての資料につきましては、これまで、内閣府や外務省、農林水産省などから公表されているものなどを中心に収集に努めているところでございますが、この問題に関しましては政府関係機関以外にも大学やシンクタンクなどの様々な方々がそれぞれの立場で考えを述べられていることから、今後はこれまで以上に幅広く情報収集に努めて参りたいと考えてございます。
一方、TPP参加による影響についての資料につきましては、これまで、内閣府や外務省、農林水産省などから公表されているものなどを中心に収集に努めているところでございますが、この問題に関しましては政府関係機関以外にも大学やシンクタンクなどの様々な方々がそれぞれの立場で考えを述べられていることから、今後はこれまで以上に幅広く情報収集に努めて参りたいと考えてございます。
(二)経済産業省の資料などについて
小野寺委員
国からの報告書等々を手にしているということでございますが、道独自でですね、もっと能動的に収集をしてほしいということですが、次の質問ですけれども、経産省のHPでは、TPPはアメリカが主導していると明記をされております。すなわちTPPを考える時には、特にアメリカが何を考えているのかを考察する必要があると私は思っております。道はこの点をどう分析しているのかお教えください。
(岡崎政策審議局長)
経産省の資料に関してでございますが、委員からご指摘がございましたように、経産省の資料はいろいろな資料が出てございますけれども、これらを見ますと、TPP参加のメリットとして、アメリカとの関係強化、あるいはアメリカが主導するTPPを進めることにより、EUや中国とのEPAを進めやすくなるといった考え方が示されているところでございます。
また、アメリカのオバマ大統領がこの1月に一般教書演説におきまして、演説の中味にございますが、2014年までに輸出を倍増する目標を掲げまして、輸出を増強すれば、国内の雇用を創出することができるといった発言がなされているところでございまして、米国においては国内の雇用対策等を図る上からも、アジア太平洋地域、さらには全世界との貿易交渉を推進していくという、そういった考え方が示されておりまして、アメリカの経済政策の考え方というものが伺えるのかなというふうに思っております。
また、アメリカのオバマ大統領がこの1月に一般教書演説におきまして、演説の中味にございますが、2014年までに輸出を倍増する目標を掲げまして、輸出を増強すれば、国内の雇用を創出することができるといった発言がなされているところでございまして、米国においては国内の雇用対策等を図る上からも、アジア太平洋地域、さらには全世界との貿易交渉を推進していくという、そういった考え方が示されておりまして、アメリカの経済政策の考え方というものが伺えるのかなというふうに思っております。
一 TPPについて
(三)農業以外の影響について
小野寺委員
今年の1月のオバマ大統領の一般教書演説でそのような発言があったことは知っていますが、その前からオバマ大統領は5年間で輸出額を倍増するというふうに言っておりまして、これは政府の至上命題であるというふうに思っておりますが、アメリカの輸出額が140兆円、この中で、農業をもし全部開放して、どれだけになるのか。多分違うところにも攻め込んで来るんだというふうに、しっかりと考えて欲しいということで、次の質問をしますが、農業以外の影響、これについてをどう考えて、それに対して、どう対応してきたのか、道庁の対応をお聞かせください。
(岡崎政策審議局長)
農業以外への影響についてでございますが、国からは、先程も参事から答弁いたしましたように、具体的な交渉内容というものが示されていないということもございまして、農業以外にどのような影響が及ぶのかについては、十分に把握できていない状況にございます。
ただ、これまで、各般の、諸外国との貿易交渉を重ねてきているわけでございますけども、こうした中で、関税以外にも様々な規制改革の要望が出されているところでございまして、例えば、政府調達に関連しましては、国などが発注する公共事業の参入条件の見直しや、米国産牛肉の輸入制限の緩和など、建設工事の受注機会や食の安全への影響が懸念されているところでございます。
さらには、人の移動に関しまして、看護師、介護福祉士等の受入制度の改善などについて、求められるということになれば、こうした分野における国内の労働環境への影響が懸念されるところでございます。
道としては、こうした懸念される事項などを踏まえまして、現在、各部において、国の動きや関係団体を通じた情報収集に努めているところでございます。
ただ、これまで、各般の、諸外国との貿易交渉を重ねてきているわけでございますけども、こうした中で、関税以外にも様々な規制改革の要望が出されているところでございまして、例えば、政府調達に関連しましては、国などが発注する公共事業の参入条件の見直しや、米国産牛肉の輸入制限の緩和など、建設工事の受注機会や食の安全への影響が懸念されているところでございます。
さらには、人の移動に関しまして、看護師、介護福祉士等の受入制度の改善などについて、求められるということになれば、こうした分野における国内の労働環境への影響が懸念されるところでございます。
道としては、こうした懸念される事項などを踏まえまして、現在、各部において、国の動きや関係団体を通じた情報収集に努めているところでございます。
(四)建設業界への対応について
小野寺委員
もしかすると、このTPPなんですけれども、道が推し進めようとしている経済の対策に大きな影響を与えるかもしれないと私は思ってます。と言うのは、農業に大きな影響があるのは間違いございませんが、その額では倍増という額の微々たるものでございまして、実際にアメリカから多くのものが輸入をされるんだろうなという1つに多分もしかすると車というものがあると思います。しかも、アメリカにある現地法人の日本の車が日本に来るとすると、道が今言っている自動車産業の集約、これも大幅に見直す必要がある、それぐらいの危機感を持ってですね、TPPを考えていただきたいと思うわけでございます。
次でございますが、特に建設業界、これに対する影響も非常に大きいという声がありますが、私、それに対する道の見解を一度も聞いたことがございませんので、お教えください。
次でございますが、特に建設業界、これに対する影響も非常に大きいという声がありますが、私、それに対する道の見解を一度も聞いたことがございませんので、お教えください。
(岡崎政策審議局長)
建設業界への対応でございます。
現在、我が国においては、WTOの政府調達協定に基づきまして、地方公共団体では、物品で3千万円、建設工事で23億円以上の予定価格のものについては、事業所所在地要件を定めないなどの内外無差別の原則が規定されております。外国の企業も参入ができるということになるということでございます。23億円を超えればですね。
これが、仮に、TPPに参加するということになれば、道内に事業所を持たない企業の受注機会の拡大につながるなど、道内の中小企業に影響が及ぶ可能性があるのではないかと懸念をされるところでございます。
道といたしましては、現在、情報収集に努めているところでございますが、これまで建設関係の関連業界との連絡が十分でなかった面もありますことから、今後は、関連の団体への情報提供を行うとともに、情報交換に努めるなど、しっかりと連携して対応して参りたいと考えております。
現在、我が国においては、WTOの政府調達協定に基づきまして、地方公共団体では、物品で3千万円、建設工事で23億円以上の予定価格のものについては、事業所所在地要件を定めないなどの内外無差別の原則が規定されております。外国の企業も参入ができるということになるということでございます。23億円を超えればですね。
これが、仮に、TPPに参加するということになれば、道内に事業所を持たない企業の受注機会の拡大につながるなど、道内の中小企業に影響が及ぶ可能性があるのではないかと懸念をされるところでございます。
道といたしましては、現在、情報収集に努めているところでございますが、これまで建設関係の関連業界との連絡が十分でなかった面もありますことから、今後は、関連の団体への情報提供を行うとともに、情報交換に努めるなど、しっかりと連携して対応して参りたいと考えております。
(五)TPP協定について
小野寺委員
TPPのベースですけれども、P4の協定、これをもし採用されるということになりますと、公共入札、これがWTOの枠組みから大きく外れることになります。今、23億円という枠がありますが、それが7億円まで下がるのではないかというふうに言われております。物品に関しては、2,500万、3,000万円ぐらいから700万円ぐらい。技術的サービスは2億円から700万円ぐらいに下がるのではないか。これは大きな、地域の産業にとってのダメージになる。京都大学の教授も地方建設業には致命的なダメージが与えられるというふうに言っておりますので、今からでも遅くありませんので、是非ですね、建設業協会の方にもしっかりと言っていただいて、これは農業の問題だけじゃないんだという話をしていただきたいというふうに私は思うわけです。
また、労働力の移動の自由、これについても非常に大きな問題が発生すると思いますし、ただでさえ失業率の高い北海道でございまして、こういう状況になったらどうなるのか、しっかりと考えていく必要があると思いますし、知的財産についてもそうです。弁護士、この先生も大変な目に遭うでしょうし、医療関係の人達ももしかすると非常に人が余る状況になるかもしれないです。そこら辺のことを勘案して反対をしていただきたいというふうに思うわけでございます。
最後の質問でございますが、私は、農業のことばかり言っていても、都会の人に本当に理解されているのかなというふうに最近は思っております。確かに農業に対する被害は甚大で、食料安保のことを考えると本当に大変な状況ではございますが、しかし世論を動かすというのは正論だけではへ駄目だというふうに思います。もっと多くの方を巻き込んで反対をしていく、そういう戦略も必要ではないかというふうに思います。道がTPPに反対している理由をもう一度お教えください。
また、労働力の移動の自由、これについても非常に大きな問題が発生すると思いますし、ただでさえ失業率の高い北海道でございまして、こういう状況になったらどうなるのか、しっかりと考えていく必要があると思いますし、知的財産についてもそうです。弁護士、この先生も大変な目に遭うでしょうし、医療関係の人達ももしかすると非常に人が余る状況になるかもしれないです。そこら辺のことを勘案して反対をしていただきたいというふうに思うわけでございます。
最後の質問でございますが、私は、農業のことばかり言っていても、都会の人に本当に理解されているのかなというふうに最近は思っております。確かに農業に対する被害は甚大で、食料安保のことを考えると本当に大変な状況ではございますが、しかし世論を動かすというのは正論だけではへ駄目だというふうに思います。もっと多くの方を巻き込んで反対をしていく、そういう戦略も必要ではないかというふうに思います。道がTPPに反対している理由をもう一度お教えください。
(成田総合政策部長)
TPP協定についてでございますが、道におきましては、これまで、仮にTPP協定が締結され、米や畑作物、乳製品などの関税が撤廃された場合、道内の一次産業や加工工場等の関連産業に甚大な影響が懸念されますことから、道民の合意がないまま、TPPへ参加することのないよう、農業団体をはじめ経済団体、消費者団体などと一体となりまして、国へ要請してきたところでございます。
今後におきましても、ただ今、委員からもご指摘ございましたように、様々な分野へ影響が懸念されますことから、現在、各部において情報を知っている関係団体などとも幅広く連携を図りながら、この問題に対し、しっかりと取り組んで参りたいと考えています。
今後におきましても、ただ今、委員からもご指摘ございましたように、様々な分野へ影響が懸念されますことから、現在、各部において情報を知っている関係団体などとも幅広く連携を図りながら、この問題に対し、しっかりと取り組んで参りたいと考えています。
小野寺委員
このTPPに日本が参加するということは、本当に、日本の経済が大変になるのは間違いありませんが、北海道にとっては本当に甚大な被害があるということをしっかりと認識をして、農業だけの分析ではなく、幅広い分析で多くの方に理解をしていただいて、TPPは大変な問題なんだということを北海道から発信していただきたいということを心からお願いして私の質問を終わります。