ただいまホームページ移行準備中です。

こちらのホームページは2015年5月29日までのものです。

平成22年第1回予算特別委員会

平成22年03月23日

小野寺委員

 それでは、通告に従いまして、質問をしてまいります。
 
初めに、本会議の一般質問で取り上げましたが、展示会事業における販売行為についてです。
 
道がアイヌ協会に対し、この件の事実調査を行った際、協会からの説明が事実と異なっていたり、不誠実な対応がなされたと聞いております。
 
また、その後、協会みずからが、本州のデパートにおいて、中小企業振興対策事業の展示会のブースで書籍等の販売行為を行っていたことが判明いたしており、協会の対応に大きな問題があると私は考えておりますが、知事の見解を伺います。
知事高橋はるみ
 アイヌ中小企業振興対策事業の展示会事業における販売行為についてでありますが、道といたしましては、アイヌ協会本部が補助を受けて実施した工芸品の展 示事業において、協会が出展者に、販売行為はできない旨の指示をしていたにもかかわらず、みずから書籍などを販売していた事実も新たに判明したところであ ります。
 
これまでの道の調査において、協会から、この点について話がなかったことは遺憾に思うところであります。
 
以上であります。

小野寺委員

 まず、確認をしておきたいのは、道の調査において、アイヌ協会がうそをついたということでございます。
 
次でございますが、アイヌ協会役員による修学資金の借り入れについてでございます。
 
アイヌ子弟大学等修学資金等貸付制度の問題では、もともと給付だったのであるから、返還させるのはおかしいという主張をしている方もいるようでございます が、この制度の一番の問題は、借りたい人が借りられていないという点にあるわけでございます。アイヌ協会のおめがねにかなった会員だけがこの資金を手に し、多くの会員は、この制度があること自体を知らないというのが問題なのであります。
 
また、例えば、通信大学に入学していることになっていた者のうち、90%以上の者は、卒業していないばかりか、勉強していたという実績がないにもかかわらず、お金を受給していたという詐欺まがいの行為を行っていたとすれば、これは大問題なのであります。
 
このような不届き者を排除するとともに、お金を返していただける方からは返していただき、それを別の方に貸すことによって、できるだけ多くの方にこの資金を貸すという制度を根本的に理解していない方が多くいるのは残念でしようがありません。
 
先日の協会の総会で、秋辺氏から提出をされた弁明書の中に、三役級の役職にある方の御夫婦と身内の御夫婦を含む方々が通信大学に入学し、実際は何もしてい ないにもかかわらず、8年以上にわたり、4000万円以上にも及ぶと思われるような修学資金を不正受給し、そして、全額減免を受けていたといううわさの事 実解明をすべきだという記述がありました。
 
その時代の貸付制度の内容によっては、このようなことも行えたのではありましょうが、このことが事実であれば、道徳的に許されるはずはありません。
 
道が修学資金を見直そうとしているのも、まさに、このような事態を防止するためであり、そこに、この貸付制度の改革の意味があるのだというふうに私は思っ ております。道には、制度の改善をしっかり行ってもらわなければならないことは当然でございますが、このようなことが事実かどうか、本人に確認し、事実で あれば、道義的な責任を追及するべきであると私は考えております。
 
また、アイヌ協会本部の理事であった者が、このような、貸付金の理念に反する受給を行っていたか否かの調査をすべきであると考えますが、見解を伺います。
知事高橋はるみ
 アイヌ協会役員による修学資金の借り入れについてでございますが、貸付台帳で調べた結果、お尋ねの事案は、平成8年度の貸付事案であると思われるところであります。
 
対象者は、2家族4名であり、4名とも、大学の通信教育課程に入学し、4年から5年、在学した後、退学しており、4名の貸付金の総額の約1300万円は減免されているところであります。
 
弁明書では、大学の通信教育課程で学業を修めていない旨の記載がありますことから、担当の環境生活部に、役員に関するすべての事案に対して調査をするよう指示してまいりたいと考えております。
 
なお、調査の結果、仮に不適切な内容が判明した場合には、返還を求めるなど、その内容に応じて適切に対応してまいります。
 
以上であります。

小野寺委員

 そういうことで、事実無根ではない記述が弁明書にあったということでございますが、ここで確認したいのは、なぜ、役員のすべてを調べるのかであります。 これらの役員には道義的な責任があるため、これを明らかにする、そのために調査をするというふうに私は考えますが、私の見解でよろしいのかどうか、お伺い します。
知事高橋はるみ
 修学資金の借り入れについての重ねての御質問でございますが、修学資金の借り入れに関し、調査の結果、仮に不適切な内容が判明した場合には、道として、返還を求めるなど、必要な措置を講ずることとしよう、このように考えているところであります。
 
また、道義的責任につきましては、役員である本人及びアイヌ協会において適切に判断されるべきものと考えるところであります。
 
以上であります。

小野寺委員

 知事は、道義的責任については判断されないということでございますが、判断されない知事が、その内容に応じて適切に対応してまいりたいというのはどういう意味か、わかりません。内容に応じて適切に対応するというのはどういうことか、もう一度、説明願います。
知事高橋はるみ
 修学資金の借り入れについての重ねての御質問でございますが、先ほどの私の御説明が不十分だったのかと思いますので、改めて申し上げますけれども、仮に 不適切な内容が判明した場合には、道として、返還を求めるなど、必要な措置を講じてまいりたい、このように考えております。
 
以上であります。

小野寺委員

 何が不適切かが私にはよくわからないのです。道義的責任があるのかないのかがわからず、調査をするという意味が、私にはよくわかりませんが、次の質問に移ります。
 
次に、弁明書に記載された問題点への対応についてでございますが、私は、ただいま、弁明書に記載されている内容のうち、中小企業振興対策事業と修学資金に 関する話をしましたが、このほかにも、農林漁業対策事業費や住宅貸付資金などの問題も記述をされているところでございます。
 
これらは、道のアイヌ生活向上関連施策が大部分であるということから、道においても、きちんとこの内容について調査をすべきであるというふうに考えますが、見解を伺います。
知事高橋はるみ
 弁明書に記載された問題点についてでありますが、これらの事項は、道のアイヌ生活向上関連施策やアイヌ文化振興財団の事業にかかわるものでありますことから、担当の環境生活部に、すべての項目について調査を行うよう指示してまいりたいと考えております。
 
以上であります。

小野寺委員

 次に、アイヌ文化振興財団の運営についてでございますが、アイヌ文化振興財団の事業運営において、数多くの不適切事案が次々と発覚をしております。
 
アイヌ文化の保存伝承をつかさどる組織として、私は本当に残念でなりません。毎年、数億円の税金を使い続ける機関として、果たして本当にこれでよいのだろうかと疑念を抱くわけでございます。一般道民から私のところにも、たくさんの苦情が寄せられております。
 
アイヌ政策が全国展開された場合には、その中核を担うであろう組織ですので、今のうちにしっかりと立て直しをしていく必要があるというふうに私は考えております。
 
財団には、一部の構成員に偏らない中立性や、事業推進における透明性を確保することが強く求められております。道として、組織全体を見直す必要があると考えますが、見解を伺います。
知事高橋はるみ
 アイヌ文化振興財団の運営についてでありますが、財団の助成事業に関し、多数の不適切な事案が発覚していることは、私としても、大変遺憾に思っているところであります。
 
アイヌ文化振興財団は、アイヌ文化振興法に規定された業務を行う全国唯一の法人であり、各種事業がすべて税金によって賄われておりますことからしても、委員が御指摘のように、事業の執行に中立性や透明性が求められるのは当然のことと考えているところであります。
 
したがって、例えば、各種の委員会メンバーを公表し、また、委員会に専務理事を参画させるなど、業務の中立性や透明性を高めるとともに、組織を見直すことが必要であると考えております。
 
いずれにいたしましても、アイヌ文化振興財団の事業が適切に行われるよう、今後とも、強く指導助言をしてまいりたいと考えております。
 
以上であります。

小野寺委員

 ずっと議論をしてきましたが、やっと、組織の見直しが必要との答弁をいただきましたので、次の質問に移ります。
 
次に、アイヌ協会役員の責任に ついてでありますが、アイヌ文化振興財団の助成事業について不適切な会計処理を行っていたのは、アイヌ協会の支部でありました。財団の対応も極めてお粗末 としか言いようがないものでしたが、もっと悪いのはアイヌ協会であるというふうに私は思っております。
 
アイヌ文化の保存伝承を実践していくはずの組織が、一部であったとしても、大切な制度をないがしろにし、税金をむだに使った行為は許しがたいというふうに思っております。
 
アイヌ協会の理事長や副理事長は、アイヌ文化振興財団の役員も兼ね、まさに、助成する側と助成を受ける側の両方の立場にあるのですから、その責任は極めて重たいと言わざるを得ません。
 
また、先週の予算特別委員会での質疑でも明らかになりましたが、今なお、簿外の帳簿を持っていたり、不適切な事案は数に限りがありません。
 
アイヌ民族の共生について、広く国民や道民の理解を得なければならない立場であるのに、信頼を大きく損なっているばかりか、このアイヌ協会の姿勢が、アイヌの方々に対する偏見を生んでいると言っても過言ではないというふうに私は思っております。
 
この際、道民が納得するような責任のとり方をアイヌ協会が考えるべきであるというふうに考えております。道民が納得するような形での責任のとり方をアイヌ協会がとらないのであれば、知事は、厳しくアイヌ協会に迫るべきだと考えますが、知事の見解を伺います。
知事高橋はるみ
 アイヌ協会役員の責任についての御質問でございますが、アイヌ政策が全国に展開されようとしている今日このさなかに、アイヌ協会の支部において多数の不 適切事案が発覚したことは、まことに残念なことであり、アイヌ協会の理事長を初め、幹部の人たちには、今起きている事案をしっかりと反省し、今後、二度と このようなことが発生しないよう、改めてリーダーとしての責任を自覚していただきたいと考えているところであります。
 
アイヌ協会の幹部の方々に は、まずは、再発防止のための改善策を着実に実行すること、また、今後、再び不適切な事案が生じないよう、事業のあり方などを不断に見直すことなどを求め ているところであり、アイヌ協会には、今後とも、一日も早く組織をしっかりと立て直すよう、強く指導してまいりたいと考えております。
 
以上であります。

小野寺委員

 私は、長年にわたりまして、この問題を追及してきましたが、本当にこれで立て直るというふうに考えているのか、非常に疑問を持ちますが、例えば、道が業 務を委託した団体で、多額なお金が消えていたり、偽造の領収書が多数出てきたら、その団体に対して、道は、次年度もすんなりと補助金等の税金を投入するの でしょうか。道民は、それをよしとすると考えるのでしょうか。
 
また、つい先日まで、重大な問題が次から次と明らかになっているにもかかわらず、その問題の調査のためにアイヌ協会に入っても、アイヌ協会はうそをつき続けていたり、正直に事実を話さないということも明らかになっております。
 
道は、道民が納得する形で団体が責任をとるのを見届けてから、予算を執行すべきであるというふうに私は考えますが、再度、見解を伺います。
 
時間がかかりそうなので、答弁は結構でございます。私は、直球しか投げていないつもりでございます。おかしいことをおかしいというふうに質問しているのに、こんなに答弁の準備で時間がかかるとは思っておりませんでしたので、次の質問に移ります。
 
私がここで指摘をしたいのは、アイヌ協会の役員に責任があるというふうに私は思っております。道が直接関与できないというのも十分に承知をしております が、道民が納得のできる形で、アイヌ協会の役員の皆さんには責任をとっていただきたいというふうにも思っておりますし、この役員が、いろいろな会員に対し て嫌がらせ等をしたり、恐怖政治のようなことを行っては困ると私は思っておりまして、この質問をさせていただいたということでございます。
 
次 に、アイヌ協会とアイヌ文化振興財団、この二つの団体への対応についてでございますが、これだけ問題が起きているということをしっかり認識していただい て、国の場においても、北海道ではこれだけアイヌ政策に問題があるということを正々堂々と言って、北海道のアイヌ政策を正しいものにした上で、全国展開を するべきだと私は考えております。今こそ、知事の英断が必要であるというふうに思っておりますが、見解を伺います。
知事高橋はるみ
 アイヌ政策に関する二つの団体、すなわち、アイヌ文化振興財団とアイヌ協会への今後の対応についてでございますが、アイヌ文化振興法の第1条の「目的」には、「アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現を図り、」と規定されているところであります。
 
しかしながら、この1年は、アイヌ文化振興財団の助成事業や、道教委のアイヌ語学習講座などにおいて、法の精神に反する不適切な事案が多数明らかになっているところであり、私自身、大変残念でありますし、委員が御指摘のことは重く受けとめているところであります。
 
喫緊の対策といたしましては、両団体から出される改善策の着実な実行に力を注いでいただくことになるわけでありますが、私といたしましても、新年度のでき るだけ早い時期に、両団体の幹部や有識者の方にお集まりをいただき、不適切な事案の再発防止や両団体の組織のあり方、今後における北海道のアイヌ政策のあ り方などについて、十分話し合ってまいりたいと考えております。
 
以上であります。

小野寺委員

 これで私の質問は終わりますが、私は、今の知事の答弁で道民が納得するとは思っておりません。
 
また、多くの問題があるこの政策を全国展開する上で、北海道の知事として、この問題をしっかりと解決してから、展開をする必要がある、知事にはその責任があるというふうに思っております。
 
しっかりと今の状況を把握した上で、今後どうしていくのかということが非常に重要であると思っておりますが、私は、今まで、いろいろな方にいろいろなこと を言われながら、この質問をしてきたわけでございます。その背景には、実は、あるアイヌの年配の方が私のところに来て話した話がございます。
 
それは、小野寺さんは墓参りのときにお金をもらうのかというような話をされまして、私は、当然、お墓参りのときにはお金はもらいませんと。
 
その御婦人の方は、
   
私たちは、いつの間にか、お墓の前で踊るときにお金をもらうようになった。1人1万何がしかのお金をもらう。それは、アイヌ文化の振興というお金の名目 だった。そのうちに、わけのわからない人が踊りに来るようになって、さらに、10人しか踊っていないのに、30人も踊っているというような申請をしている ことに驚いて、おかしいのじゃないか、先祖に対する冒涜だと言ったら、あなたはもう来なくていいということで排除されてしまった。排除された仲間もたくさ んいた。私は、先祖のお墓の前で踊りたいのだ。
そう言って泣くわけですよ。
 
私は、今のアイヌ政策が本当にアイヌの方たちのための政策になっているとは思えない部分も多々ある、そして、多くのお金が、役員等、一部の人たちのポケットに入っているということも大問題であると思って、この質問をしてきました。
 
ですから、このアイヌ政策が北海道にとってふさわしい政策なのか、いま一度、真剣に考える時期に来ているいうことを強く指摘させていただきまして、私の質問を終わります。
 
ありがとうございました。