北海道新聞は不可解
さて、今日の北海道新聞の社説には驚きました。それは「靖国」という映画が、東京と大阪のすべての映画館で上映が見送られる事態になっていることについての社説だったのですが、僕の頭では到底理解できないものでした。
今、僕は道議会議員ですが、数ある仕事の中の一つは「道民の皆さんが治めている税金を、北海道が正しく使っているかをチェックすること」だと思っています。当然、国会議員も税金(公費助成)が正しく使われているのかを調べるのは当然です。そのために「靖国という映画が公費助成をするにふさわしい映画かどうかを見る」という趣旨で試写会が行われたのですが、それを批判しているのです。
例えば、この社説の中で「靖国」の上映が見送られた理由は「与党の国会議員が行った映画の試写会の為」と言わんばかりなのですが、驚くことにその因果関係は一切示されてはいませんでした。根拠が無いのに文句を言うのであれば、それは「言いがかり」か「難癖」になってしまう可能性があります。マスコミが今のように「驚くほどの力」を持っている状況において、マスコミの推測による非難や攻撃は「報道による暴力」になってしまう危険性をはらんでいるのです。
さらに社説の中で「この試写会は、検閲にもつながる」という驚くような主張をしているのですが、試写会がどう検閲につながるのでしょう。「税金が適正に使われるか」を議員が調査することすら否定しようとする考え方に、国民が賛同するとでも思っているのでしょうか。そもそも、自国を徹底的に非難するような映画に対して、その国の税金を使っても平気でいられるという国民が、地球上のどこの国にいるのか逆に教えて頂きたいものです。税金が投入される予定の「靖国」という映画が実際どのような映画なのか・・・、国会議員としてきちんと知っておきたいと考えるのは当たり前のことであり、逆に「見る必要は無い」と考える議員の方が問題なのです。
また「国会議員という特定の人を対象に試写会を行うのもけしからん」とも主張しているのですが、では誰が一緒に行けば問題が無かったのでしょう。
同時に、この試写会に参加した国会議員やそれを企画した文化庁にも責任があると言っていますが、何の責任なのでしょう。この試写会が上映中止にどうつながったのかをしっかり証明できるのでしょうか。僕は文化庁の「どんな映画にでも助成する」という姿勢には呆れ果てていますが、試写会は当然行われるべきであったと思っています。
さらに、「助成の是非を論じるにしても、表現の自由を考慮すれば公開後でも良いのでは」というピントのずれた主張もしています。公開した後に「この映画は公的助成するに相応しくなかった」とならないよう、公開前に見る必要があるのは当然です。主張の意味が解りません。
さて、この社説には自民党の稲田明美衆議院議員の名前が出ています。稲田代議士は僕の政経セミナーにお呼びしたことがあるくらい、僕は彼女の考え方に共鳴しているのですが、その代議士を遠まわしに非難するようなやり方にも憤りを感じています。
僕は北海道新聞という新聞社からは、良く思われていない議員の一人だと思うのです。事実、この新聞社には心外な記事を何度か書かれていますし、それに対する謝罪を受けたこともありません。僕はこの新聞社がちゃんとした会社であるなら「僕とは正反対の考え方だが、そういう意見もあるんだ」と素直に受けとろうとするのですが、人に対して謝罪もできないような会社が、訳のわからない主張を繰り返した挙句、根拠も無く「責任を自覚せよ」などと、よく人に言えるなと思ってしまうのです。
このブログで僕は、更に道新に嫌われるのでしょうが、道新が僕に対して書いた心外な記事に比べたら、こんな内容なんてまだまだ可愛いものです。でも、道新の現場の記者は素晴らしい方も沢山いるのにもったいないですよね。僕がこの新聞社と和解できる日は来るのでしょうかね・・・。