道は本気で北方領土返還を望んでいるのか?
昨日の報道で、サハリンに行っていた高橋知事とサハリン州知事が「新たな北海道とサハリン州の友好・経済交流促進プラン」に調印をしたことをしました。
僕は冷え込んだ道内の景気対策にとって、サハリンとの経済交流が有効な手段であることを否定はしませんし、プランに全面的に反対しているというわけではありません。
しかし手放しで「お互いの地域が儲ければよい」という経済交流には賛同できないのです。
それは2005年1月12日の日記を見てもらっても解るのですが、僕は一貫して「サハリンと経済交流をすれば、サハリンに利益が落ちる。このことが北方領土返還にどう影響をするのかしっかりと考える必要がある」と主張をしてきました。
道側は「サハリンの発展と領土返還の因果関係」については、僕が以前質問した時に認めているのです。であれば、道がサハリンと「経済交流プラン」の締結を予定していたのであれば、北方領土対策特別委員会でしっかりと報告をされて当然なのではないでしょうか。しかし委員会では何の説明も受けませんでした。僕は、まずこれに頭に来ました。
また、道の北方領土対策本部でも、このプランが領土返還にどのような影響を与えるのかをしっかりと判断をしていると思っていましたが、何の判断も分析もしていないことが解りました。これも頭にきております。
本当に北海道は心底「北方領土を返して欲しい」と思っているのでしょうか。
北方領土は本来、北海道の一部ですが、ロシアではサハリン州に属していることになっています。
北海道とサハリンとの経済交流によってサハリン側に多額のお金が落ちた場合、北方領土の社会資本整備は進んでしまわないのでしょうか。サハリンの企業の支店が領土に出来たりはしないのでしょうか。サハリンが好景気になり、その余波が領土の住民の生活水準を押し上げたりはしないのでしょうか。これらのことは全て「領土返還のマイナス要素」だと僕は思っています。
道は、「サハリンの人々が『我々は北方領土を不法占領しているのに、北海道は我々に多くのお金を与えてくれた。なんて良い人達なんだろう。あの人たちに北方領土をかえさなきゃならない』と考えるに違いない」と予想し、幼稚な戦略を立てているのでしたら、それはそれで結構なのですが、どこまで本気で領土の返還を考えているのか僕には見えてこないのです。
いずれにしても、この問題も11月始めの委員会で質問をしようと考えています。
追伸 今日は札幌を日帰りしましたが、今はJRで釧路に向かっています。なかなかハードなスケジュールです!