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北海道は“道民の水”を守れるのか?

2010 年 6 月 2 日(水)23:43 | 日記 | 2 Comments |

 (すいません!今日のブログは少し長いです・・・)

 昨日、僕は水産林務部に質問をしましたが、今日の北海道新聞の朝刊にその記事が載っていました。

 その、新聞記事は事実に沿って書かれてありました。しかし、紙面の都合上仕方がなったのでしょうが・・・、実は、僕が“昨日の質問”で一番問題にし時間を割いた点についての記述が無かったのです。

 僕が質疑で明らかにしたかったのは、「北海道の森林が中国資本に買われていた」という事実ではなく、「今回、中国資本が買った50ヘクタール以上の広大な森林の半分以上が“水土保全林”であった」という点と、「林業・木材産業とは全く関係の無い企業が“北海道内の水土保全林”を買っており、その中で“森林施業計画”を提出しない企業が2200社に上り、さらに道庁は“それらの企業が外資系か否か”すらも把握していない」という点だったのです。

 今回、これらの事実を道側が初めて明らかにしましたが、これは道民にとって深刻な問題なのです。

 実は、この「北海道の水資源」に関して、“水産林務部”以外の色々な部局とも意見交換をしたのですが、僕は「道庁がこの問題の存在すら知らず、ことの深刻さにも気づいていない」という事実に愕然とし、同時に情けなくなりました。

 行政には、そこに住む住民の生命や財産を守る責務があるのです。

 例えば、テロ等に備えて各自治体はそれぞれに「国民保護計画」を策定しています。緊急時や災害時に備えて、住民のために毛布や食料等も備蓄しているはずですが、人間が生きていく上で最も大切なものは「水」であり、万が一自治体がそれを確保できなければ、「国民保護計画」なんて「絵に描いた餅」以下の代物であり、行政は住民を保護するどころか“ただ右往左往するだけ”で、結果としてその地域はあっという間に全滅してしまうのです。

 さて、地方自治体が「住民の水資源を守る」ことは“至上命題”であり“危機管理”そのものなのですが、実は恐ろしいことに“今の日本の法律や制度”においては、それが出来ないのです。

 例えば「森林を買おうとしている者が“日本の企業”だろうが“外国資本の企業”だろうがお構いなし」であり、「森林の下を流れる水脈へのボーリングへの規制も無い」という状態なのです。さらに「1ヘクタール以下の森林の売買は自治体へ申請不要」であり、森林を細切れにして売買すれば、誰も気付かないうちに所有者を変えられるというザルのような制度になっているのです。

 北海道は、ずっと「北方領土返還運動」を続けていますが、もしかすると「北海道の本土そのもの」が“外国(外国企業)”に買い占められている可能性があるのです。

 しかも、我々が忘れてならないのは、中国という国は「選挙によって民意が反映されている国、いわゆる民主主義国家ではなく“共産党による一党独裁の国”である」ということなのです。もし、北海道の森林が「北朝鮮の企業」によって買い占められていたら、日本のマスコミは大騒ぎをするのでしょうが、僕は「それが“北朝鮮の企業”だろうが“中国の企業”だろうが、潜む危険性と根本的な問題は一緒だ」と考えているのです。さらに付け加えると、北海道の森林を所有しているのが中国の企業だろうがアメリカの企業であろろうが、実際問題として世界的に水が枯渇をすれば、各国は自国を守る為に「他国に対し情け容赦無い行動に出る」のは明らかです。今、我々道民は“北海道の森林がどこの国の企業に買われているのか”を知っておく必要があるのです。

 僕は、日本という国の“領土と危機管理に対する認識の低さ”に心底がっかりしているのですが、せめて北海道は“全国の森林の四分の1を有している地域”として、そして“世界環境サミットを開催した地域”として、政府に対して「日本の自然環境を守る」という視点で、「今の国の森林政策に物申す」という姿勢が必要だと思うのです。今日の質疑でも、水産林務部長が「そのように行動していく」と答弁をされたので、僕の戦いの第一ラウンドは終わりましたが、実は本当の戦いはこれからなのです。

 ちなみに、殆んどの日本人は「日本は水が豊富にある国だ」と思っているようですが、実際には「日本という国は水を輸入しないと国民の食料を確保できない“水の輸入国”である」という事実を、皆さんに知って頂きたいのです。

 現在、日本においては「自分の国にある水源すら守れていない」という危機的な状況ですが、本来であれば「自国分だけでは足りない水をどのように確保していくのか」を真剣に議論していかなければならないのです。

 僕なんかは「国が推し進めている二酸化炭素削減の対策」よりも、こっちの問題の方が遥かに深刻な問題だと思っているのですが、皆さんは如何ですか?

追伸
 今日、鳩山首相と小沢幹事長が電撃的に辞任をしましたが、特にコメントをする気にもなりません。ただ自民党が「選挙目当ての首のすげ替えだ!」と、民主党を攻撃しないことを願うばかりです・・・。「自分のしてきたことを棚に上げて、相手を批判してはいけない」ということは子供でも知っていますので・・・。

コメント

  1. 柏倉 より:

    小野寺道議、お疲れ様です。
    震えも凍りつくほど、背筋の寒くなる恐ろしい問題です。

    2日道新朝刊を読みましたが、あの書き方では「リゾートでしょ? お金落としてくれるんでしょ? 問題ないでしょ?」と思う道民が多いと思われます。なにしろ国際面では、『アジアと北海道』が鋭意連載中ですし。

    北海道が、いや日本国が、日本人の為のものでなくなる未来を目指し、尖兵たちがサイレントランニングしているように感じられてなりません。
    いったい何を、今すぐ欲しがって、一度手放したら決して戻らないものを売り渡そうとしているのでしょうか。

  2. 小野寺 まさる より:

    柏倉さんへ

    返事が遅れてすいません!
    この問題は、北海道だけの問題ではないのです!
    第2回定例会では一定の成果を出せたと思っていますが、日本という国の危機管理意識の低さには驚きを通り越して、本当に怖くなってしまいます。

    これから、国民は全員でこの国の有り様をしっかりと考えていく必要があると考えています!

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