アバウトすぎる道の「環境政策」!
僕は、「北海道の環境政策はアバウト過ぎる。何をしたいのか良く解らない」と、ずっと考えており、担当部署との意見交換時にも「この点」を何度も指摘し続けてきました。
今日のブログは、その件について書きます。
昨年、北海道の洞爺湖において“先進国首脳会議(洞爺湖サミット)”が開催され、世界の環境問題についての有意義な議論がなされたことは、未だ記憶に新しいところです。 このサミットを契機とし、高橋知事は「北海道を、環境先進地にする」と宣言をしました。
道民も、知事のこの考え方に共鳴をしたでしょうし、そうなって欲しいと願ったはずです。しかし、「言葉の響き」だけで多くの方が共鳴をしているに過ぎないのではないでしょうか。
そもそも・・・「環境先進地」って何なのでしょう。「北海道の考える『環境先進地』とは、一体どんな地域なのか」・・・が、僕には良く解らないのです。
さて、道庁はこの「環境先進地」の定義をしっかりと捉えた上で、それに向けての施策を展開しているのでしょうか。僕はそう思えないのです。
それは何故か・・・ですが、北海道は「本道を環境先進地」とする為に、道は多くの政策を行っています。その中の「温室効果ガスの削減のための施策」がありますが、この政策一つをとっても「道は何を考え何処に向かおうとしているのか」が、全く見えてこないからです。
先月、鳩山首相が「日本は温室効果ガスを25%削減する」と、国連の場で約束したのを皆さんは覚えていますでしょうか。
僕は、この首相の発言によって“道庁の環境のセクション”は「右往左往」したと思っていました。首相の発言は、「環境先進地」を目指している本道にとって「非常にショッキングな内容」だったからです。北海道は、首相の示した「驚くほど高い目標数値」の更に上を行く政策を行わなければ「環境の先進地」などとは言えなくなるからです。
実際に道庁として、本道経済に与える影響や、25%の削減は可能か否かの考察、これを達成する為の本道の役割や、道の環境政策全般の見直し、森林整備事業のあり方、新たな環境ビジネスの研究・・・等々、あの発言によって「早急に議論すべき課題」が沢山出てきたはずです。しかし、道庁内でこれらの課題を議論した形跡がありません。
北海道には「首相の発言にはびっくりした。道として早急に対応策を考えなければ『環境先進地・北海道を目指す』とは、とても恥ずかしくて言えないような状況になってしまう」という “危機感”は全く無いようです。
「本道を環境先進地にする」という政策の中で、この「温室効果ガス削減のための施策」には目標数値がないばかりか、優先順位すらもはっきり決められていないので、このようなことになってしまうのです。
北海道は、「環境先進地」を本気で目指しているのでしょうか。僕は道議会議員として「環境先進地とは、どのような地域であるべきなのか」をはっきりさせなければならないと思っています。同時に「クリアすべき問題や課題を明確にし、しっかりとした目標を作る必要がある」とも考えているのです。
我々には、道民が誇りに思う「環境先進地・北海道」を創り上げ、それを次世代の方々に手渡す「責任」があるのです。その為に「将来のあるべき北海道の姿」を具体的に描き、それまでの道筋を道民に示す役目が道庁にあるはずです。それすら出来ないのに「先進地になりたい」というのは、僕の目には「都合が良過ぎる無理な注文」に映ってしまうのです。
2009年10月25日(日) 23:09
初めてブログを見せていただき、初めてご返事申し上げます。
先の勉強会(小野寺道議の)に参加させていただいた十勝のユンケル皇帝と申します。忙しい中、私どものため、時間を割いていただいた事、感謝申し上げます。
この度、初めて道の環境に対する考え方をお聞きしました。その中で感じられたことは、小野寺先生が感じているような危機感と正確な情報が把握出来てないのではと思いました。
そろそろ札幌市でもやろうとしている市道の街路灯のLED化が、道としてはナトリューム灯を目指していると言う。
ご存じの通りLEDの寿命は40,000時間であるのに対しナトリューム灯の寿命は18、000時間で、約1/2。LEDは紫外線の発生のないことから、今、話題のマイマイガが集まりにくい照明と言われています。
LEDは-30度くらいまでの低温地帯で使用できることから、寒冷地の北海道には最適の照明と考えています。
省エネ率は水銀灯の7~8倍でありますことから、札幌市の街路灯はLEDの選択をしたのではないかと思っております。また、庁舎内の蛍光灯もLEDタイプの蛍光灯に変わります。
その中で、道は何故か後手後手に回っているような気がしてなりません。先生の言うような「環境の先進地」であるならば、その先進地を目指して行くようでなければならないと思います。すでに、各地で省エネは進んでいます。小さな省エネの積み重ねは目立たないかもしれませんが、それを細やかに目を通すことで北海道における省エネの正確な数値を把握出来ると考えます。
来年から経済産業省では、原油換算で1500L以上のエネルギーを消費する事業所や工場の登録を義務付けをしています。しかし、北海道では大きな工場、事業所は全体の4%くらいの数しかありません。大きな数字だけを見つめて、小さな数字を逃していては、北海道として、どのくらいの数字が上がっているのか、掴めないと思います。
初期投資のかかる省エネには、全くのリース及びエスコ事業があります。省エネを図り、その中から支払うことの出来るエスコ事業の取り入れを図れば、新たな予算の持ち出しもなく、互いに満足のいく環境への近道と考えます。省エネの先進地を目指し、先生のご活躍期待しています。長々と乱文を書き綴りました。
2009年10月27日(火) 09:55
ユンケル皇帝さんへ
勉強会お疲れ様でした。さて、僕は道の環境政策も、日本の環境政策を見ても、「本当にやる気があるのか?」と思ってしまうのです。
環境という切り口で、実は北海道において多くのビジネスチャンスが生まれる可能性もあるのです。しかし、これに関する議論が一切ありません。
もっと真剣に「環境」について考える必要があると、僕も議員として痛感をしているのです。
今後ともよろしくおねがいいたします!